関西の大学生が奮闘、学生映画を応援

2016.2.19 18:31

宣伝用の資料も自作のパワーポイント

(写真2枚)

『上海国際映画祭』など海外の映画祭にも招待され、大きな話題となった日本最年少監督作品『やぎの冒険』(2010年)。メガホンをとったのは、当時沖縄の中学生(13歳)だった仲村颯悟監督。その監督が大学生となった今、5年ぶりに手掛けた長編映画『人魚に会える日。』が3月に公開される。

長編2作目となる本作は、大学入学を機に上京した監督が、いわゆる本島と沖縄との温度差を感じたことが製作のきっかけとなったという。現在、慶應義塾大学に通う仲村監督をはじめ、撮影スタッフはすべて大学生。当然、劇場やメディアへの宣伝を行うのも、ボランティアの大学生が担っている。

昨年12月には、宣伝を担う関西チームも発足。そのひとり、甲南女子大学に通う竹内詩乃さん(20歳)は、「同世代の仲村監督が、映画という大きな媒体で伝えるメッセージを届けたい。幅広い世代に観て欲しいと思うとともに、特に20代の人には、自分たちと同世代がこんなに自分の意見を持っていることを一緒に考えて欲しい」と言う。

自作のパワーポイントを手に映画の魅力について語る竹内さんは、「宣伝合宿では、映画のポスターに『基地』という言葉を入れるか、入れないかすごく考えました。この映画は、基地問題の賛否を訴えたいのではなく、沖縄の若者にとって、生活のなかに基地があることは、キレイな海があるのと同じくらい当たり前のことであって。容認、反対で語れない、リアルな沖縄を仲村監督は伝えたかったんです」と、監督の言葉を代弁する。

そんな監督の思いに突き動かされて、出演者にはシンガーソングライター・Coccoをはじめ、沖縄出身の俳優やモデル、タレントが出演。主題歌は、MONGOL800のUezu Kiyosakuが書き下ろすなど、錚々たる面々が映画に参加。映画監督の塚本晋也は、「沖縄を、その内側から語る才能が現れた」と評する(公式サイトより)。

関西では3月26日より、大阪「シネマート心斎橋」(約100席)で1週間限定のレイトショーで公開される。関西学生宣伝チームが掲げる「1週間で500人!」という目標に向けて、若さと情熱を武器に日々走り回っている。

甲南女子大学に通う竹内詩乃さん(20歳)
甲南女子大学に通う竹内詩乃さん(20歳)

映画『人魚に会える日。』

2016年3月26日(土)公開
監督:仲村颯悟
出演:儀間果南、平良優大、木村海良、Cocco、ほか
配給:RYU-GOATS
1時間33分
© 映画「人魚に会える日。」製作委員会

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