石山寺の秘仏ご開帳、史上初の宝物も

2016.2.22 15:37

33年ぶりの公開となる如意輪観世音菩薩(平安時代後期・重文)

(写真3枚)

『源氏物語』や『枕草子』にも登場する名寺・石山寺の数々の秘宝が3月18日から公開される。なかでも、ご本尊でもある秘仏 如意輪観世音菩薩(重文)は33年ぶりのご開帳となり貴重だ。

平安時代後期に造立されたと見られる観音様は、天皇の命令によって封印されている日本で唯一の仏像・勅封秘仏。33年に1度、もしくは天皇の御即位などでしかお目にかかれない存在だ。檜の寄木作り、高さは5mとなり、その姿をより近くで拝見できるよう、本堂(国宝)内陣の奥(ご本尊の安置されいる厨子の裏側)まで足を踏み入れて拝観できることに。奥まで入れるのは史上初、平安時代中期に造られた滋賀県最古の木造建築物内部を隅々まで鑑賞できる。

左から如来立像(飛鳥時代)、観音菩薩立像(白凰時代)、菩薩立像(白凰時代)、観音菩薩立像(天平時代)
左から如来立像(飛鳥時代)、観音菩薩立像(白凰時代)、菩薩立像(白凰時代)、観音菩薩立像(天平時代)

また天平時代に造られ、1078年の本堂火災により大きな損傷を受けながらも唯一現存する初代ご本尊の断片(本尊左足先・重要文化財)、加えてそのご本尊の胎内(仏像内部の空洞部)に納められていた4躰の胎内佛像(重文)の特別公開も。4躰は飛鳥、白鳳、奈良時代のものとされ、特に飛鳥時代のものは飛鳥寺と法隆寺のもの以外で現存する非常に希少な日本最古級の仏像だ。同時期には、『源氏物語』の着想を経たという言い伝えからも縁深い紫式部の展示『ほとけの誓ひおもきいしやま』も開催され、石山寺の魅力を存分に堪能できる機会となる。

安産、厄除け、縁結び、福徳のお寺として知られる石山寺。季節の美しい花々が楽しめ、花の寺としても有名
安産、厄除け、縁結び、福徳のお寺として知られる石山寺。季節の美しい花々が楽しめ、花の寺としても有名

取材・文/浅野はるか

『本尊 如意輪観世音菩薩ご開扉』

期間:2016年3月18日(金)~12月4日(日)
時間:8:00~16:30
場所:石山寺本堂(滋賀県大津市石山寺1-1-1)
拝観料:入山料600円+本尊特別拝観料500円
電話:077-537-1105(石山観光協会)

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