勘三郎の夢 七之助が舞台で実現へ

2016.1.18 07:00

舞台『ETERNAL CHIKAMATSU -近松門左衛門「心中天網島」より-』に出演する中村七之助

(写真5枚)

深津絵里と中村七之助が主演の舞台『ETERNAL CHIKAMATSU』。2月末から始まる公演を前に、中村七之助が大阪市内で会見を行った。

父・中村勘三郎には、海外の演出家に歌舞伎の演目を演出して欲しいという夢があったのだとか。彼と親交があり、生前この夢を語り合った演出家のデヴィッド・ルヴォーが、七之助に声をかけて実現した今回の公演。「ルヴォーさんが覚えてくださっていて、私に託されたことに感謝したい」と七之助は語った。

歌舞伎以外の舞台に上がるのは約9年ぶり3回めとなる七之助。今回楽しみにしているのは、やはり海外の演出家が近松門左衛門をどう解釈するかだと言う。「日本人の今の演出家ですら驚きの解釈があるだろうに、文化も暮らしも違う海外の方が近松を演出した時に、どんな変化が生まれるのか」。

これまで現代演劇の演出家による歌舞伎を経験してきた中で、「串田(和美)さんの演出は「とりあえずやってみて」って舞台稽古まで何も決まってないのに、やってみると不思議と串田ワールドになってる。野田(秀樹)さんは、ちゃんと緻密にこうこうこうしてと指示が出て、彼のキャラクターの強さが出てくる。いのうえ(ひでのり)さんはもっとすごくて、右足出して、右見て、セリフ言ってって・・・。3人全員違うんです。これは面白かった。今回のルヴォーさんに対しては、期待しかないです」と語った。

「今年最初の舞台。歌舞伎で培ったものをいろいろチャレンジできる」と七之助
「今年最初の舞台。歌舞伎で培ったものをいろいろチャレンジできる」と七之助

遊女小春、治兵衛、その妻おさんの三角関係を描いた近松門左衛門の代表作『心中天網島』をベースに、現代と江戸が交差する新作戯曲。現代の売春婦・ハルを深津絵里が、江戸の小春を女形の中村七之助が演じる。大阪では、2月29日〜3月6日に「梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ」にて。

『ETERNAL CHIKAMATSU -近松門左衛門「心中天網島」より-』

作:谷賢一
演出:デヴィッド・ルヴォー
出演:深津絵里、中村七之助、伊藤歩、音尾琢真、ほか
日時:2月29日(月)~3月6日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
料金:11,500円(全席指定)
電話:06-6377-3888(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)

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