武田梨奈「歯が折れてもいい」

2016.1.13 14:16

大阪「第七藝術劇場」での舞台挨拶に登場した武田梨奈

(写真4枚)

──獅子舞に空手、どちらも日本独自の精神性を基礎としている感じがします。

武田「最初は、何とかなるだろうという気持ちがあって、『頑張ります!』って言ってたんです。でも、いざ始めてみると甘かったと気付かされました。空手でもそうですけど、1つの事を何十年もかけて鍛錬されているみなさんを前に失礼な言葉だったなと恥ずかしく思ったし、正直挫折しそうにもなりました。そんな時、師匠が『型に囚われずに、自分の魂で舞いなさい。絶対にできる』と、ひとりでも練習できるように、保存会の大切な獅子を貸し出して下さったんです。自宅でお獅子に見守られて過ごした1カ月は、秋音を演じる上でもとても大きな経験になりました」

──日常と役が同化した日々だったのですね。かなり塞ぎ込んだ役でもありましたが、役作りはどんな風に?

武田「周囲を拒絶して孤独に生きるキャラクターだったので、撮影中はあえて、みなさんの輪には入らずにひとりで過ごして、役と同化できるように集中しました。自分の素直な思いを初めて父にぶつける手紙のシーンでは、感情の高まりを大事にしたくて『カット割せずに一気にやらせて欲しい』とお願いしました。それに対してスタッフのみなさんも協力くださって、すごく思い入れの強いシーンになりました」

映画『かぐらめ』© 2015 『かぐらめ』 製作委員会
映画『かぐらめ』© 2015 『かぐらめ』 製作委員会

──叔父役の今井雅之さんは、本作が遺作となりました。武田さんは、今井さんとはリラックスしたシーンが多かったですね。舞台挨拶では「下ネタNGが多かった」、「毎日スタッフと飲み歩いて朝まで帰って来なかった」なんてエピソードも飛び出していましたが。

武田「今井さんは、お会いするまでは『怖い方なのかな?』と思ってたんですが、一番のムードメーカーで、面白くて頼れるお兄さん。役の上でも、唯一肩の力を抜ける相手だったので、ご一緒してるときはずっと笑ってました」

──ちなみに、今井さんは完成作品をご覧になられたんでしょうか?

奥秋監督「いえ、残念ながら。山梨の先行上映の前日に、お亡くなりになったんです。あまりのタイミングに先行上映を取りやめることも考えたんですが、事務所に相談したら『役者として多くの人に見ていただくのが今井の本望のはず。是非やってください』と言っていただいて。きっと、会場のどこかで観てくれていたと思います。そう信じてます」

武田梨奈と奥秋泰男監督
武田梨奈と奥秋泰男監督

取材・文・写真/hime

映画『かぐらめ』

2016年1月9日(土)〜15日(金)
監督:奥秋泰男
出演:武田梨奈、大杉漣、筒井真理子、ほか
配給:イーライフピクチャーズ
第七藝術劇場で上映

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