観月ありさ「関西弁の舞台が心配」

2015.8.13 23:00

主演の観月ありさと、作・演出の鄭義信(チョン・ウィシン)

(写真3枚)

大阪上本町の劇場「新歌舞伎座」(大阪市天王寺区)の5周年記念で上演される『GS近松商店』。江戸時代の作家・近松門左衛門の『曽根崎心中』と『女殺油地獄』をミックスし、しかも現代の関西に舞台を置き換えた群像劇だ。主演の観月ありさと、作・演出の鄭義信(チョン・ウィシン)が大阪で会見をおこなった。

「2006年に東京で上演した作品ですが、いつか関西でもやりたかった」と鄭。「近松作品の設定や細やかな人間関係は、現代に置き換えても十分通じる。小さな町のいろんな人たちの話が、日本の今の縮図みたいに見えれば一番いいかなと思います」

観月が演じるのは、ガソリンスタンド(GS)を切り盛りする人妻・菊子。テレビドラマでは元気な役が多い彼女には珍しく、薄幸の女性だそう。「外に出たい気持ちもあるけど、冒険できずにこの年になったという。私と(相手役の)光(渡部豪太)だけでなく、登場人物それぞれの立場や愛などがバランスよく描かれた作品です。ただ(油まみれでもみ合う)ラストシーンがどうなるかと・・・。人生で油にまみれるってないですからね(笑)」

これが3回目の舞台となる観月は、「映像と舞台の芝居は全然種類が違う」とも。「同じ競技でも種目が違うみたいな感じがあって、いまだに戸惑いがあります。でも本番が始まってみると、ひとつの作品としてでき上がっていくのがすごく楽しいし、お客さんの反応がダイレクトにわかるのも醍醐味だなあと」

「関西弁で大阪の舞台に立つのが心配」と言う観月を、姫路出身の鄭が「僕の関西弁も怪しいので大丈夫(笑)」と励ますシーンも。この2人が組んだ、激しくもリアルな「現代の近松」の舞台は、大阪でも大きな衝撃を与えてくれるだろう。

新歌舞伎座で上演される「GS近松商店」
新歌舞伎座で上演される「GS近松商店」

取材・文・写真/吉永美和子

近松門左衛門 原作「女殺油地獄」「曽根崎心中」より「GS近松商店」

作・演出:鄭義信
主演:観月ありさ、渡部豪太、小島聖、姜暢雄、朴璐美、みのすけ、星田英利、山崎銀之丞、升毅、石田えり、ほか
日程:2015年9月27日(日)~10月14日(水)
会場:新歌舞伎座
料金:1階席9,500円、2階席5,000円、3階席3,000円、特別席11,000円(全席指定)

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